PROJECT

南房総カレンデュラPJ -2022-

01.プロジェクト概要

名称:南房総カレンデュラプロジェクト( 2017から継続)
内容:本プロジェクトは、産品であるカレンデュラを使ってデザイン的アプローチを行い、地域ブランディングによる南房総市の地域活性化をゴールとしたものとなります。 2020年〜2023年では、「南房総カレンデュラ」のブランド構築と認知に向けた具体策としてカレンデュラサイトのプロトタイプ(webサイト)制作・プレゼンを行いました。
期間:2020年11月~2023年3月
構成:2020年度・2021年度 B4櫛原 / B4澤田・黒坂・福吉 /メンター:M2長岡
   2022年度 M1櫛原 /M1澤田・B3中川・永田

02.リサーチ・提案概要

提案の背景と目的

産学協働地域活力創造事業である「地域発掘カレンデュラプロジェクト」に位置づけられた、2017年から継続されているプロジェクトです。

これまでのリサーチから南房総カレンデュラの現状として4つの観点が得られました。


①同じ花に対して、仏花・切り花としてのキンセンカとハーブとしてのカレンデュラ(無農薬)という二つのありかたが混在し、認識や意向の相違がみられた。(図1)

②ハーブとしてのカレンデュラはコスメとして広く認知されており、国産無農薬は国内で一般に高い需要が見込まれている。そのため、仏花であるキンセンカに比較し単価を上げるポテンシャルがある。(図2)

③食用、コスメ向けのカレンデュラとして販売や販促はされているが、「南房総カレンデュラ」というブランド構築を考えたものにはなっていない。

④関係各所からのインタビューより、地域の方々が活性化のゴールとして望んでいることは、南房総市のシンボルとして花(カレンデュラ)を位置づけ、かつての花畑の景観を取り戻すことである。(図3)


この4つの観点から、『花畑(カレンデュラ)の再生』をゴールとして位置づけ、ロードマップ的に現時点で可能な施策を提示することとしました。

図1.現地調査インタビュー内容の抜粋
図2.カレンデュラ関連商品
図3.目的マップ

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01.ブランド構築
本プロジェクトのゴールである『花畑(カレンデュラ)の再生』を達成するためには、花による収益の拡大、そのためには花の単価を上げて生産者・生産量を増やす必要があります。花の単価を上げるためには、価値構築しにくい観賞用の切り花(キンセンカとして)では難しいことがわかりました。一方、ハーブとしてのカレンデュラは商品そのものの潜在力や生産者の魅力的なストーリーから「南房総カレンデュラ」としてブランディングできるのではないかと考えました。

02.ユーザーとシナリオ
購入や来訪の可能性を持つユーザーとして「妊娠時にカレンデュラを知り、ナチュラルコスメに関心を持っている30代子育てママ」に設定、ユーザーがサイトを訪れて商品に関心を持ち、購入を検討するまでのシナリオから作業を進めました。

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03.webサイト
「南房総カレンデュラサイト」をつくり、コンテンツから南房総カレンデュラに対する信頼やあこがれが醸成されるをねらいました。これを構築するものとして ①南房総カレンデュラの特別さ ②ベレケの村 五十嵐さん夫妻の背景や生活 を検討。

【トップページ】
スキンケアを入り口にサイトに訪れた人が、カレンデュラを単なる化粧品の素材としてではなく、生活の中に取り込んでいける花とわかるようなシーンを表示。このことで、カレンデュラが深く生活に取り込んでいける花であることや南房総カレンデュラのポテンシャルの高さが伝わるようにしました。

その他コンテンツーーーーーー

【南房総カレンデュラの特別さ】
南房総カレンデュラの実質的価値がわかる内容に。南房総という海沿いで栽培することで得られる成分や効果、土地の意味、濃いオレンジの品種、手をかけて栽培している様子など、地域性や少量生産の意味が伝わる構成

【南房総カレンデュラの栽培をするベレケの村】
カレンデュラ(無農薬)を栽培しているベレケの村(五十嵐さん夫妻)について、キルギスから南房総を選んで移住した背景、カレンデュラを肌に使ったりお茶にしたり、自然とともにある暮らしの気持ちよさやすがすがしさが伝わる内容

【カレンデュラを直に感じられるモデルコース】
花畑だけでなく、カレンデュラオイルのエステやエディブルフラワーとしての料理やお茶、石けんづくりなど、南房総を巡りカレンデュラに囲まれる一日を過ごす提案。土地の空気や風や環境に触れながら巡るモデルコースの掲載

【コメント共有ページ】
インスタグラムの#南房総カレンデュラ画像が追加され一覧される構成 また、投稿してくれた人や南房総に住んでいる人へのインタビュー・コラム記事の掲示

https://www.figma.com/proto/lZ9YM0j5HUO8xP4KWGdbLs/2023%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%A9?page-id=0%3A1&node-id=1007-432&starting-point-node-id=1007%3A432

*制作途中の参考サイト

報告会(2023/3/3)

南房総市の関係者の方のほか、カレンデュラの栽培や加工、商品販売を行っている市民の方に向け、経過報告とともにブランディング、webサイト案を発表しました。webサイトの実制作や公開については継続検討となり、効果測定に向けての作業を進めることとなりました。また、カレンデュラの成分分析などを対象とする南澤研究室のプレゼンから、あらたにカレンデュラに対する知見を得ることができました。

ファイルァイルや外部リンク

キンセンカのブランド化へ 千葉工大の学生らが活動を報告 南房総https://bonichi.com/2023/03/15/348839/
キンセンカのブランド化 台風被害の南房総、花畑の再生へ 千葉工大生が「カレンデュラプロジェクト」市に提案
https://www.tokyo-np.co.jp/article/242667