PROJECT
またねPARCO!プロジェクト-フロアマップ編-
以下は、またねPARCO!プロジェクト(フロアマップチーム)の活動内容について、B4(当時B3)の永田がまとめています。
01.プロジェクト概要
- 内容:津田沼の象徴でもあった津田沼PARCOは2023年2月28日、45年間の歴史に幕を閉じました。本プロジェクトは2月の閉館に向けて、「記憶に残るデザイン」をテーマに、従業員・来館者の想いを振り返り、人々の思い出に残るようなイベントをコンペ形式で提案し、採用された3案を実装しました。 (ここでは私たちCチームの行ったフロアマップのイベントについて記載しています!)
- 名称:またねPARCO!(PARCO×千葉工業大学プロジェクト)
- 期間:2022/09~2023/0 9-12月:B4、M1授業+3年有志、1-2月:有志参加
- 構成:総数37名(A・B・C・新設チーム) Cチーム8名 PJリーダー:澤田(赤研M1)副リーダー:豊田(稲研M1) メンバー:徳竹(長尾研M1)、古賀(佐藤研M1)、永田、山田(赤研B3) 助っ人:中川、猪股(赤研B3)
- 参加研究室:赤澤研究室・稲坂研究室・西田研究室・長尾研究室・佐藤研究室(以下、赤研・稲研・西研・長尾研・佐藤研) 指導:西田准教授・赤澤教授
チーム体制・メンバー
M1の先輩方を中心にプロジェクトマネジメントや全体のスケジューリングが行われました。私たち3年は実装に向けて中心となるグラフィックを行いました。
大まかなスケジュール
2022/09~12:企画・提案、PARCO関係者へのプレゼン
2023/01~02:準備
2023/02/11~28:イベント実施
達成したこと
2週間のイベント期間中に1000枚以上の書き込みがありました。また、デザインプロセスでの提案から、成果物の制作ではPMの方法を取り入れながらプロジェクトが行われました。
02.イベントまでの流れ
10月…リサーチ(デスクリサーチ/現地調査/PARCO関係者へのインタビュー)
「津田沼PARCO閉館」への口コミ、PARCOと津田沼地域の関係などのリサーチから、津田沼PARCOが地域にとってどのような立ち位置であったか現状を把握。また、実際にPARCOへ行き、津田沼PARCO関係者に直接お話を聞くことで、アイデアのヒントとなる切り口を探しました。
プログラムミッションシートを用いたビジョンの設定

Have/Do/Beの3段階で抽象化/具体化を行き来することで、主催者である津田沼PARCOが求めるものが何かを深堀りしました。 様々なタイプのアイデアを発散していましたが、このシートを用いてビジョン設定をしたことで、私たちのチームがどのようなアイデアを出していきたいか方向性が見え、スムーズにアイデアの収束を行うことができました。 ビジョン:津田沼 PARCOが築いてきた人と人のつながりを再度認識し、閉店後もその関係を大切にしてもらうことで津田沼(地域)を好きになる
◎アイデア決定:思い出でつながる津田沼PARCOフロアマップ
※当初は、みんなで作る津田沼PARCOフロアマップ

チームで案を出した結果、みんなで作る津田沼PARCOフロアマップに決定! 館内図を模したボードを設置し、ボード内でコミュニケーションを取ってもらうことで津田沼PARCOでの思い出から懐かしんでもらう、といった内容です。
10月30日…プロジェクト憲章・チームの目標設定シートの作成
これらを作成し、ビジョンや背景を改めてチーム全体で言語化しました。まだアイデアが決定しただけで曖昧な部分も多い中、考えられるリスクやタスクをあげておくことで、チーム内での方向性がまとまり、長期的なプロジェクトでも目的を失わずに立ち戻れる指標となりました。
11月8日…PARCO関係者へ中間報告
11月28日…プロトタイプによる検証

フロアマップをもとに、お客さんと従業員がマップの中でメッセージのやりとりができるかを検証しました。ボード内での会話は成立しそうだけど、それを引き出す工夫(グラフィック?お題?など)が必要、、
11月29日…アイデア発表

来館者だけでなく従業員も介在できる点からPARCOの方から賛同をいただき、実施をすることが決まりました!しかし、人が実際に集まるのか、ただの寄せ書きにならないかなどの懸念点も挙げられました。 ここから本格的にプロジェクト始動です、、!
12-1月…グラフィック検討、動線・空間設計
ボードの制作において、イメージ図でなんとなくは想像できたものの、実際のPARCOをグラフィックに起こすのが難しく、時間がかかりました。
・実際のフロアマップに近いリアルさ ・シール・ロゴが映え、馴染むような背景のトンマナ
特にこの2点に合うように先輩・赤澤先生に何度もチェックをしていただきました。PARCO館内のお店のロゴを使用するなどして、実際のフロアであることを気づいていただけるような工夫をしました。 さらに、フロアマップだけでなく、年表・サインなど周りのサインも充実させることで、具体的に振り返りメッセージを残したくなるような空間を心がけました。 また、先輩方には動線や空間設計を通して必要な備品、材料などを検討していただき、一気にイベント準備に向けて加速しました!



1月末…リーダー不在のイベント直前!
制作も終わり、いよいよイベントに向けて、ポスターの発注・備品や設備の準備、シールの作成と、作業量がとにかく膨大でした。また、リーダーである澤田先輩が2週間不在ということもありましたが、チーム全体でタスクを把握し、それぞれが行動できていたことや、副リーダーの豊田さんの活躍により、トラブルなく、当日を迎えることができました。 ここには先輩方の力量に感激しました。プロジェクトはここまで余裕を持ってやらないといけないのか、、とても勉強になりました。
2月11日~…イベント当日
最初の滑り出しをPARCO関係者の方にも心配されていましたが、滑り出しも好調!と思いきや、ボードはみるみるうちに埋まってしまい、嬉しい悲鳴!

さらに常時シールが足りなくなり、当初200枚用意していたシールも毎日補充しに行かないといけないほど。(最終的に計1800枚ほど切りました。) 最終的にはボードは3枚追加し計5枚に、あれだけ頑張って作った年表やマップは面影もなく、もはやフロアマップではなくなってしまいました。しかし、メッセージには常連の方、元従業員の方の思い出や、従業員の方との会話をしてくださってる方、PARCOの閉館を惜しみ感謝しているメッセージも多く見られ、コメント一つ一つに津田沼PARCOへの思いが詰まっていることを実感できました。私たちの実現したかった、津田沼PARCOが築いてきた45年間をボードで振り返り、感謝の気持ちを伝えることのできるイベントになったのではないでしょうか。
03.自身の役割
私は提案でのアイデア出しやプロトタイプ制作、実装ではロゴのデザインやパネルのグラフィックを担当しました。
04.学んだこと
今回のプロジェクトは綿密な計画と、常に可視化をしてくださった先輩方のおかげで、イベントだけでなく、プロジェクトの進行としても大成功だったといえるチームワークだったのではないかと感じています。先輩たちの安定した信頼感に、自分のパフォーマンス(グラフィック)で先輩の期待に応えたい!と思うことができました。
兎にも角にも先輩方が頼もしすぎました。今回のような長期的なプロジェクトはそう多くないので、この時期に先輩方と一緒にプロジェクトができたことは、とても身になる経験でした。

↑制作のタスクがある程度見えてきた時点でささっと作ってくださったガントチャート。前もってタスクの多さを知ることで身構えて取り組めました。
…ただ一つ、反省点を上げるなら、**参加者数の見通しが甘かった。**これに尽きます。 PARCOの方からも懸念されてたばかりに、目標は控えめに(それでも高めに設定したつもりでした)設定していましたが、想像を遥かに超える参加人数によって、最後まで切羽詰まって手作業でシールを切っていました。もし、ここまで想定できていれば、シールの仕様やグラフィックのアプローチの仕方も変わっていたかもしれません。
初めから正確に見通しを立てることは難しいですが、前例(近年にあった周辺のデパート閉館の様子)などをもう少しリサーチ段階で調査すべきだったのかなと思いました。
05.後輩へのアドバイス
プロジェクトとしては常に誰かがテキスト・写真など議事録を取っていたこと、メンバー間での報連相がしっかり行われていたことプロジェクトが成功した理由の一つだと感じました。
また、グラフィックの面では、
まずは作ってみる→ある程度できたら誰かに見せる→フィードバックをもらったらすぐに直す
このサイクルが大事なのかなと思います。3年になるとポートフォリオ制作や作品のブラッシュアップをする人も増えてくると思いますが、このサイクルはどの制作でも共通して言えることです。一度完成したものに手をつけることって面倒かもしれませんが、そこを乗り越えれば必ず力がつくと思います!!
06.ファイルや外部リンク
↑news every.に取り上げられたフロアマップの様子
↑複数のメディア紹介していただきましたが、中でもフロアマップについて詳しく記事に載せていただきました。