親子で歩いて街を学べるアプリ「ナラシノクエスト」

 このコラムの執筆者:清水 有紀奈

概要

ナラシノクエストは卒業研究で制作したアプリです。パターン化しがちな親子の日常を楽しくしたいという想いで作りました。


リサーチ

下のグラフを見ると、6年間で10代未満、30代、40代の人口増加がとんでもないことがわかります。これは、奏の杜(再開発地区で高層マンションが多い地域)ができたためです。ここから、『市外から来た人が多いため、習志野市のことを知らない若い世代の親子が多い』と予想しました。

出典:「習志野市町丁別・年齢別住民基本台帳人口」https://www.city.narashino.lg.jp/joho/tokei/jinko/chochomoku_nenrei/index.html


次の表は習志野市在住の小学生の子どもを持つお母さん3名に、子どもとの過ごし方についてヒアリングしたものをまとめた表です。「お金をかけずに家の近くで遊びたい」という人が多いことがわかります。場所の選択肢が公園かショッピングモールと少なく、『親子での遊びがパターン化しがち』という背景があると考えました。


アウトプットの紹介

リサーチ結果から、親子での遊びの選択肢を増やしつつ街のことを知ることができるアプリを制作することにしました。実際に歩いた方が体験的に学べると考えたので、街のあらゆるところにARマーカーを設置してそれを読み取ることで街を学べるようにしました。


このキャラクターたちは習志野市に関する子たちで、CINEMA 4DというCGソフトを使って制作しました。


検証

ターゲットユーザーである親子に、ナラシノクエストで遊んで楽しいと思ってもらえるのか?
これを検証するために、6組程の親子にヒアリング(検証)を行いました。お母さんは『ついでに遊べる』ことを求めていて、子どもは『キャラクターを集めることが楽しい』ということがわかりました。

検証で得られた結果をもとに、ゲームの地図上にお店の情報やイベントの開催情報を載せることにしました。また、お店やイベントに行くとポイントがもらえ、そのポイントでアイテムを手に入れる仕組みも考えました。

ヒアリング結果
お店やイベントに行くとポイントがもらえるサービス


ちなみに、プロトタイプはAdobeXDで制作しました。実際に動かしたいけどプログラミング難しい…(泣)となったので、説明動画を作って提案が伝わるようにがんばりました。よろしければご覧ください。
※音が出ます


最後に

卒研以前の課題では作ったら終わりなものが多かったので、今回初めて”実際に試してもらう”というのをしました。制作中に気づかなかったことやリアルな意見を聞けて新たな提案に結びついたので、検証って大事だなと思いました。